タコを守って過去から未来へ!タコ部会
こんにちは!大瀬戸町漁協に「ながさき水産業大賞」受賞のニュースが飛び込んできたのは、2022年11月のこと。
我らが大瀬戸町漁協のタコ部会が、長崎県内の水産業を営む多くの団体の中からみごと!「魅力ある漁村地域部門・長崎県漁業協同組合会長賞」に選出されたのです。
大瀬戸町漁協タコ部会
大瀬戸町漁協では、タコ漁の漁師さんが集まってタコ部会を組織しています。
タコ部会の漁師さんたちは、県の認可漁業であるタコ漁の取り決めを作り、そのルールをしっかり守って漁を行います。以前ブログでご紹介した漁業領域のくじ引きもその一つのルールですね。
しかしタコ部会の漁師さんたちの活動は、タコ漁を行うだけではありません。
大瀬戸町名産のゑべす蛸を守る取り組みもしています。
ながさき水産業大賞は、まさにその長年にわたってタコを守る取り組みを続けてきたことが評価されたのでした。
約60年間続いてきたタコ漁
大瀬戸町でタコ漁が始まったのは1965年頃といわれています。
タコ漁は釣りでも網漁でもなく、タコが入りやすく住みやすいつぼを海中に設置することでタコを獲ります。この頃は陶器のタコつぼにロープをくくりつけて海に流し、それを人の手で引き揚げていました。
陶器のタコつぼは、今では全国的にほとんど使われていません。口の空いたつぼでは、途中でタコが逃げてしまうことがあるため効率があまりよくないのです。
現在のタコ漁の主流は、タコが入ったらふたが閉まって閉じ込めることができるプラスチック製つぼです。
しかし、大瀬戸町漁協では昔ながらのタコつぼを今でも使用しています。
なぜかというと、それはタコを守るため。
獲りすぎないようにして、タコのいる海を未来に残していくためなのです。
そして現在、最新技術でタコを見守る
昔ながらのやり方を守ってタコ漁を続けるタコ部会の皆さんですが、新しい技術を取り入れた活動にも挑戦しています。
それがこの水中ドローンです!!
大瀬戸町漁協・タコ部会・長崎県・西海市の共同の取り組みで、タコの資源保護のために毎年タコの産卵つぼ投入と産卵調査を行っています。
8~9月頃のタコの産卵時期に合わせて、調査用のつぼと、産卵のためだけのつぼを海に投入します。
調査用のつぼは後ほど引き上げてタコが入っているか、どの程度卵が産まれているかを調査します。
もう一方の産卵つぼには引き上げる縄はつけておらず、海に入れたままタコの産卵場所となります。ただし、入れっぱなしにするだけではありません。
縄のついていない産卵つぼの様子確認に役立つのがこのカメラ付き水中ドローン。
このドローンで海中のつぼを探し、どんな様子になっているかを確認しています。
水中ドローンでの調査によって、つぼが海底の砂に埋もれてしまうことが多いとわかってきたため、翌年からはつぼが埋もれにくいように工夫を行ったりして、試行錯誤をしています。
大人気のゑべす蛸!来シーズンに期待!
このように、昔ながらのやり方と新しいやり方を織り交ぜながら、ゑべす蛸を守る活動をしています。
ゑべす蛸は家庭向けのパック出荷量も飲食店からの引き合いも多く、大人気です。
とはいえ、近年減少傾向のタコ漁獲高。先シーズンは何と最盛期の半分程度まで落ち込んでしまっています。
来シーズンにはまた復活することを願って、タコ部会は今日も行く!