とことんこだわる! 包丁研ぎへの熱き思い

みなさんこんにちは、西海大崎漁協です!

西海大崎漁協職員の中澤さんは、何事にも研究熱心で妥協をしない男。
究極の血抜き、津本式でもその素質を存分に発揮していましたが、「包丁研ぎも妥協しません!」と包丁の手入れにも熱い思いを持っているのです。

中澤さん、お気に入りの包丁は?

中澤さんは、「これまでいろんな種類の包丁を使ってみました。その中で一番お気に入りの包丁は雅シリーズの雅百景です。手入れを続けて今では短くなってしまいましたが、20年使用しています。
その他には、出刃包丁は松原包丁がいいですね。両刃で分厚いもので、必ず鋼のものを選びます。そして、オールマイティに使える牛刀です。
魚の頭も割れるし、刺身もこれ1本で切ることができるので便利です。」と、お気に入りの包丁について語ってくれました。

中澤さんが教える包丁研ぎのコツ

さて、ここからは中澤さん直伝の包丁研ぎのコツを教えちゃいます!

肩と腕と手に力をたっぷり入れて包丁を研いでいるイメージですが、「力を入れない!」と正反対の答えが返ってきました。

研ぐときの角度はさまざまあるようですが、通常45度くらいに角度をつけて研ぐことを推奨してあることが多いそうです。

確かにその角度で研いだ方が早く切れるようになるのですが、切れなくなるのも早く、刃先が丸く研げてしまうそうです。

中澤さん流は、平行に近い感じにしてしっかり研ぐ!

刃の設置面はこんな感じです。

そして、1回研ぎ始めたら途中でやめない!

途中でやめてしまうと、錆びてしまったり、刃こぼれの原因になってしまうからです。

毎月最後の土曜日に開催されている西海市土曜朝市では多くの魚を捌くため、毎回刃こぼれするので、中澤さんはその都度、荒目、中目、仕上げの順に砥石を使って研いでいきます。

研ぐときは上、真ん中、下の方、右回り、左回りにしたりして偏りが無いように砥石全体を使うようにしています。

真ん中だけで研いでしまうと真ん中だけが凹んでしまい、刃先が丸く研げる原因になるからです。

刃こぼれがひどい時は、荒目から始めて1本仕上げるのに約1時間かかるそうです。

砥石:左から荒目(左二つは同じもの)、中目、仕上げ

砥石は必ず使用前に水につけて水を吸わせておきます。

中澤さんがこの台に合わせて作った砥石台です。
普段使用する台に合わせて作ることで、包丁を研ぐ際に砥石がずれるのを防ぎます。

いろんな工程を経て、このピッカピカの鏡のように輝く包丁に仕上がります!
仕上がりは、自分の爪や指の薄皮に刃を滑らせて引っかかる感じを目安にしています。
飲食店の方に研いだ包丁を見せた際に、「研ぎすぎ!あと4〜5回サボってもいいくらい!」と言われるほどの仕上がりだったそうです。

中澤んが研いだ西海大崎漁協の包丁

家庭で使うならどんな包丁がオススメ?

包丁イメージ

オールマイティーに使える牛刀、みなさんお馴染みの三徳包丁そして薄い出刃包丁です。

中澤さんが自宅に持っている包丁は出刃包丁3本、柳刃2本、牛刀1本の全部で6本。

「金物屋さんを何軒か見て回ったり、近くのホームセンターで購入することもあります。
手入れをして長く使うことを想定し、最低でも1万円くらいするものを選んで購入したり、2、3,000円くらいものを購入したりしていろいろと試しています。
また、軽すぎると切れないので、持った時にずっしりくる感じを目安にしています。

安いものでも、高いものでも、まずは研いで自分仕様にしてから使っています!」と中澤さん。

家にあるものでできる
簡単!包丁の保存方法

コミック雑誌イメージ

1つ目は、水洗いをしてから、油気のある電話帳や新聞紙、雑誌を開かないようにガムテープなどで固定して、上から包丁を刺して保管する。
錆止め用の油紙の販売もあります。

2つ目は、沸かしたての熱湯をかけて水気を切り、普段使用している包丁立てなどで保管する。熱湯のため自然と乾いていくそうです。

「包丁の切れ味で断面が全然違うため、魚の味も変わります。
繊維を崩さずに1回でスッと切れると気持ちがいいです。」と中澤さん。

包丁研ぎから保管方法まで徹底されている中澤さんは、まさにプロフェッショナル!
他にも試してみたい包丁があるそうで、魚の捌き方だけではなく、道具に対しても探究心がさらに膨らみます!
ご家庭で包丁を砥石で研ぐことはなかなか難しいかもしれませんが、包丁の保存方法は、お家にあるものですぐに実践できるので、みなさんもぜひ試してみてくださいね!