海の環境改善にも取り組んでいます〜海底耕うんのおはなし〜

こんにちは!西彼町漁協です。

先日は、西海市土曜朝市へお越しくださりありがとうございました!今が旬のうず潮カキや、水揚げされたばかりの新鮮なカタクチイワシなど、今だからこそ楽しめる海の幸をお楽しみいただけましたでしょうか?

私たちがみなさんにおいしい魚介類を提供できるのは、それらを育くむ海があるおかげ。海の環境が悪いと魚介類が育たず、漁獲量も減ります。なので、西彼町漁協の漁場である大村湾の環境を守ることも、私たちの大事な仕事なのです。

大村湾は穏やかな海だけど……

大村湾は、佐世保湾を介して針尾瀬戸と早岐瀬戸だけで外海と通じている、閉鎖性が強い湾です。穏やかな海ではありますが、夏場には海面温度が上がって海底との水温の差ができることで底の方と海水の間に比重の違いが生じて、海水の上下の混ざり合いが起こりにくくなります。

そうすると、海底には酸素が少ない状態の「貧酸素水塊」という水の層が発生します。酸素が少ない海は生き物にとっていい環境とはいえず、貧酸素の状態だと毒性のある硫化水素が発生することもあり、青潮の原因にもなっているのです。

沿岸の漁協が協力して海底を耕す!

ということで、大村湾沿岸周囲にある市町の漁業者と7つの漁協が「大村湾地域漁業環境保全会」というグループを結成して、2016年から大村湾の水質・底質の環境を改善するため「海底耕うん」を行っています。

画像:大村湾地域漁業環境保全会より

毎年2月中旬から3月頃にかけて、大村湾の中を1日8時間、45〜50隻の船が各ブロックに分かれて「耕うん桁(けた)」という鉄製の器具をロープに結んで船で引っ張り、海底を耕しています。

画像:大村湾地域漁業環境保全会より

海底にある堆積物をかき混ぜて、硬くなった土や泥・砂を堀り起こすことで海底環境を改善し、中に溜まっている窒素・リンなどの栄養塩を海に放出する効果があり、海の生き物が生息しやすい環境が作られるのです。

知ることも大切な一歩に

「大村湾地域漁業環境保全会」の活動には、「海底耕うん」と「環境学習の実施」があります。昨年10月、西海市立大串小学校5年生の子どもたちに大村湾の環境や、海底耕うん、種苗放流といった環境保全活動についての講義を行ったのは、まさにこの活動の一環でした。
*過去記事はこちら(学習in 西海市立大串小学校)

大村湾の環境をなんとかしないと、お魚が獲れなくなってしまうのでは!?と心配になりますよね。でも、まずはこうやって大村湾のことを知ることが、大村湾の環境を良くしていくことへの第一歩になるのです。

続けることが大切

このように、大村湾の環境を改善する取り組みを続けることで、水質の改善や漁獲量の変化など、効果が現れています。

今年も2月中旬ごろから、大村湾地域漁業環境保全会のメンバーで海底耕うんを行います。大村湾でとれる新鮮な魚介類を未来の子どもたちへ繋いでいけるように、これからもがんばります!