大村湾の浮遊ゴミ回収作業

こんにちは、瀬川漁協です。
今年の夏も本当に暑いですね。テレビでは「観測史上初」や「◯◯年ぶり」といった言葉をよく耳にしますが、最近ではそのたびに驚くことも少なくなりました。慣れというのは、ある意味で怖いものですね。できることなら、この暑さにも慣れたいところです。

さて今回は、大村湾に浮かぶゴミの回収作業についてご紹介します。普段なかなか見る機会のない作業かと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

大村湾浮遊ゴミ回収・陸揚げ業務事業

この事業は、大村湾に面した7つの漁協(佐世保市南部、瀬川、西彼町、大村市、大村湾、大村湾東部、針尾)が協力して、湾内に浮遊するゴミを回収・除去する取り組みです。
大村湾は「超閉鎖性海域」と呼ばれ、外洋との海水の入れ替わりが非常に少ないため、ゴミが湾内に滞留しやすいという特徴があります。そこで、年9回、各漁協の組合員が交代で回収作業を行っています。この日も猛暑の中、3名の組合員さんが出動してくれました。

いざ出航

瀬川漁協が担当する範囲は、川内港から横瀬港まで。出航してすぐ、港付近に漂う細かいゴミを回収します。大きな流木などは事前に陸揚げしてありますが、細かいものも多数集まってくるため、丁寧にすくい上げていきます。

移動中も、目視で海面を確認しながら進み、見つけた流木などは網で引き上げていきます。ときには驚くほど大きなものが浮かんでいることもあります。

それにしても、この日の天気は本当に良すぎるほど。
作業を始めてわずか1時間ほどで、あっという間にゴミが船いっぱいに集まりました。

「海上のゴミ」と聞くと、空き缶やペットボトルを思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれらもありますが、実際には流木や木片の方が圧倒的に多いのです。

ここまでで午前中の作業は終了。炎天下の中、本当にお疲れさまでした。

ゴミがもたらす影響

私たちが浮遊ゴミの回収に力を入れているのには理由があります。それは、海の環境保全だけでなく、漁を安全に行うためでもあるのです。
たとえば、大きな流木が船に衝突すると、航行不能になる可能性があります。網に引っかかって破れてしまうこともあります。実際に、破れた網の一部がスクリューに絡まり、船が動かなくなってしまったこともありました。

そうした事故を未然に防ぐためにも、私たちは年9回の定期的な回収活動を続けています。

最後に

海に浮かぶゴミのすべてが、人の手によって捨てられたものとは限りません。多くは風に飛ばされたり、大雨によって川から流されてきたものです。
今では、意図的に海へゴミを捨てる人はほとんどいないと思いますが、それでも私たちの身の回りのものが、思わぬ形で海へたどり着く可能性があるということを、ぜひ知っておいてください。

自然の中で落ちた木などはどうしようもないとしても、台風や大雨の前には、飛ばされそうなゴミがないかを確認し、未然に防ぐ努力が大切です。