今のところ順調に育ってます!〜三倍体マガキの成長〜

こんにちは、西彼町漁協です。気づいたらもう9月。今年もあと4ヶ月かと、思わずカレンダーをめくってしまいました。さて、西彼町漁協で昨年から取り組んでいる三倍体マガキの養殖ですが、カキ種を海に入れてから10ヶ月が経ちました。あの小さな小さなカキの赤ちゃんは、はたしてどれくらい成長しているのでしょうか。

三倍体マガキの成長を振り返る

※三倍体とは、通常の二倍体マガキを品種改良した「産卵しない」カキのことです。

令和6年10月:三倍体のカキ種を組合員さんに配布しました。ここ西彼町漁協でも成長の様子を見届けるべく、いかだのところにカキ種を入れたカゴを投入しました。

令和7年1月:5cmの大きさに成長していた三倍体マガキ。夏を越せるか、チヌの食害を防げるか、マガキが死なずに残ってくれるかなど、課題がありました。

令和7年7月
三倍体マガキの殻の周りにフジツボが付着しています。そのままにしておくと周りにびっしり増えてしまうので、早めに取り除きます。ちなみに、フジツボは貝ではなくて、エビやカニと同じ甲殻類なんです。新しい網カゴに入れ替えて海に入れました。

令和7年8月:サンプルで出した三倍体マガキの重さを測ってみました。粒揃いのかわいい子たちです。

これまでの二倍体マガキは、水温が上がり始める5月頃から産卵して、体力を消耗した状態で暑さを迎えるので、身が入らなかったり、残念ながら死んでしまうものが多かったのですが、三倍体マガキは産卵がないので体力を温存でき、今の段階ではほとんど生き残っています!

手間ひまをかけて育てる

サンプル採取の三倍体マガキをレンジでチン!
身がしっかり入っていて、色つやが良くプルっとしていますね!

「まだ小ぶりではあるけれど、これが12月、1月ぐらいになるともっと大きく育つので、夏の海水温を越せるかがポイントです」と馬場さん。
チヌの食害を防ぐ「永田式」を取り入れて養殖している三倍体マガキ。成長段階に合わせてカゴに移し替える作業や、殻の周りに付着したフジツボを取り除く作業など、手間ひまをかけて大事に育てられていて、今のところ順調に成長しています!

やってみないとわからない

どういう対策をしたらカキが死なないのか、わからないままで今までやってきたところが多かったですが、三倍体マガキに挑戦したことで、わかってきたことがあります。夏場の高水温の課題は今のところクリアしています。チヌの食害も永田式で防ぐことができました。

フジツボの付着をどうするかという課題はあるけれど。あとは、この状態で9月と10月を無事に乗り切って、11月には殻も身も大きくなってくると思います。」と、西彼町漁協職員の馬場さん。

来たるうず潮カキのシーズンに向けて、みなさんに喜んでいただけるよう準備を進めていきますので、どうぞ楽しみに待っていてくださいね!