今日も大漁!太刀魚(タチウオ)ってこんな魚です

こんにちは! 大瀬戸町漁協です。

今、大瀬戸町漁協では太刀魚が豊漁で、とてもにぎわっています。

太刀魚

太刀漁の船が帰ってきた!

夕方になると、太刀魚の漁に出ていた船が次々と漁協の桟橋に帰ってきます。

太刀魚漁船
太刀魚漁船

船からいくつもの発泡スチロール箱がおろされます。

箱を数える漁協職員
箱数を数えます

1箱で5キログラム。漁協の職員が箱数をその場で数えます。

箱に詰められた様子
箱に詰められた様子

太刀魚は、引き縄漁(トローリング)と言われる漁法で獲ります。縄に疑似餌と針をつけ、それをゆっくり引っ張って魚に食いつかせる漁法です。

大瀬戸町漁協では、太刀漁を行う船は現在20~25艘ほど。全部合わせて、今シーズンは一日約1.5トンもの水揚げがあります。

なお、15年ほど前は太刀漁の最盛期で、50艘もの船が太刀漁をしていたそうです。その頃は、一日の水揚げ量は7.5トン! そんなに獲れると置いておく場所もなかったそうです。

積み上げられた箱
これから冷蔵庫に入れます

太刀魚はとても美しい

さて通常、獲ってきた魚は生かしたまま船で運ばれ、漁協の生け簀に入れられます。

しかし太刀魚は漁師さんたちが船の上で箱詰めして帰ってくるのです。「何で?少しでも新鮮な方が良いのじゃない?」って思いますよね。

その理由は……

身の様子
きらめく身

(見てください、このまばゆい銀色を……)

並んだ太刀魚
キラキラ!

そうです、その理由は、この美しさを守るためなのです!

太刀魚は、魚なのにうろこが無く、体全体にまるで磨き上げた金属のような光沢があります。

太刀魚は一般的にも食べられていますが高級魚でもあるため、「美しさ」という品質にもこだわっているのですね。

もちろん、鮮度が落ちないように船上から常に氷で冷やしてあり、漁協についたらすぐに冷蔵庫に運ばれます。こうして美しさと鮮度を保ったまま、翌日早朝3時に市場へ出荷されていきます。

太刀魚は海の中で立って泳ぐ

「太刀魚」って、身が細長くてきらめいていてまるで太刀のよう。

だから「太刀魚」という名前なんだね、ふ~ん。と思われるでしょう……でも実は!

海の中では立って泳ぐので「立ち魚」とついたという説もあります。

イメージはこんな感じでしょうか。

立たせてみた太刀魚
立たせてみました

背びれをパタパタさせ、立った状態で群れながら泳いでいるようです。

そして、上を見ながら小魚を探し、下からパクッ!と食いつくのです。

太刀魚のエサは小魚で、イワシやキビナゴ、小さければ太刀魚の幼魚も食べてしまいます。

口を開けてみると歯が長くするどいです。

太刀魚の歯
歯がとんがっています

太刀魚はさばきやすい

太刀魚はうろこがない魚です。

ということは、うろこ取りが不要なのでさばくのも楽なのです♪

腹を開いた太刀魚
内臓は、頭の近くの15~20センチほどだけです

頭を落とし、皮の膜を包丁でちょっとみがいて、内臓を取るだけ。しかもその内臓は身の長さにくらべてずっと短く、家庭用まな板におさまります。

ひれを取ったり三枚おろしにしてもいいですが、唐揚げならぶつ切りにするだけでいいんです! 揚げればひれもパリパリになっておいしいですよ。

太刀魚はおいしい!!!!

太刀魚は本当においしい魚です。

きめが細かい白身で、食感はやわらかく、うま味があって和風にも洋風にも合います。

三枚おろしの太刀魚
三枚おろし!

塩焼きは塩を振ってグリルで焼くだけ!

唐揚げは下味と粉をつけて揚げるだけ!

……と、シンプルな調理でびっくりするほどおいしく食べられます。

今の時期はメスは卵を持っているので、煮つけにしてもいいですね♪

8月のブログで、漁師さんの「かば焼き」推しを紹介しました。

かば焼き
かば焼き

カリっとした衣に照り照りのタレ、そのなかにふっくらとした太刀魚のおいしさが閉じ込められ、とてもおいしいですよ。

唐揚げ
唐揚げも!

淡白な身は唐揚げにしてもさっぱりと食べられます。

身そのものの味を存分に楽しみたいときは「皮目に切れ目を入れ、バーナーであぶり、氷水でしめる」というちょっと凝った食べ方も♪

いろいろな食べ方で、ぜひ皆さん試してみてくださいね。