西海市でとれる!幻の魚アコウの生態に迫る

みなさん、秋といえばどんな魚を思い浮かべますか?

さんま?サバ?アオリイカなんて声も聞こえてきます。

西海大崎漁協の近海では、幻の魚と言われているアコウがとれます。

普段は深海の岩場の影に身を潜め生息していて、なかなかお目にかかることはできません。

今回は、入荷したばかりのアコウに迫りたいと思います!

とれたてのアコウが、入荷しました!

ある日、地元の漁師さんが、とれたての新鮮なアコウを
西海大崎漁協へ運んできてくれました!

新鮮な魚が入ったコンテナを降ろす中澤さん。

明るい表情から察するに、大物の予感!?

これから、西海大崎漁協のいけすに運び入れます。

アコウが水に慣れるまで運んできたコンテナごと水槽に入れます。

魚は、環境の変化に敏感でデリケートな生き物。特に温度差には弱く、海水といけすの水温の差が大きいこの時期は、魚の管理にとても気を使います。

海とは違う環境であっても、いけすの中で魚たちが元気に泳げるように、温度管理には特に気をつけています。

幻の魚、アコウとは?

アコウは、別名キジハタと呼ばれています。一般的には高級魚として扱われていて滅多にお目にかかれない魚種なのですが、なんと西海大崎漁協の近海ではとれちゃうんです!

スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ハタ亜科に分類される魚で、日本から中国沿岸の温暖な海域に生息しています。キジの色に似ている緑色の目がキジハタの語源ですが、関西や九州ではアコウと呼ばれ親しまれています。

なんとアコウは生まれた時はすべてメス。40センチほどに成長すると自然とオスに性転換をする魚です。


フグのようなプリプリっとした食感を生かし、お刺身はもちろん、煮物や鍋にしても美味しいですよ。

大きさは、男の人が両手で支えないと持てないぐらいの大きさ。育つと5キロ以上になることもあるそうです。

アコウは夜行性で、昼間は岩の隙間などに根を張るように生息しています。そのため根魚と呼ばれています。

「根魚」に分類される魚は、成長速度が非常に遅いため、乱獲してしまうとたちまち数が減ってしまいます。
その貴重な資源を守るためにも、小さいものがとれると、もう一度海へ返すそうです。

アコウの小さな鋭い歯

ご覧ください、口の中には小さな可愛らしく見えますが、鋭い歯が無数に生えており、小魚やえびなどを食べています。

どうやってとるの?

刺し網漁イメージ図 (参照:https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/gyocen_illust2.html)

アコウは、刺し網(さしあみ)漁で漁獲されます。
刺し網漁とは、魚の通り道に帯状の網を仕かけ、その網目に魚の頭部を入り込ませて(これを網に刺すという)漁獲する漁法です。

ちなみに、満月と新月の頃、潮の干満の差が大きい大潮のときは、網が流されてしまうので、それ以外の時期に刺し網漁がおこなわれます。

とれたてアコウはいずこへ

さて、西海大崎漁協が地元漁師さんから入荷した、とれたてのアコウ。
次はどこへいくのでしょうか。

長崎市内の魚市場で、毎週月・水・金曜日の早朝5時から競り(せり)が行われます。当日は、早朝の競りに合わせるため、午前0時半から作業をするという中澤さん。準備を整えて、魚市場へ持ち込みます。

競りには、長崎県内はもちろん、県外からも仲卸業者や売買参加者が集まります。西海市でとれたアコウは、長崎市の魚市場から県内、全国各地のみなさんの食卓へと運ばれていきます。

西海市産のアコウを、ぜひご堪能ください!