ゆらゆら泳ぐ、ワカメの話。

みなさん、こんにちは。
この時期、三寒四温ともいいますが、雪がチラついたかと思ったら、一気に気温が20度近くまで上がる日も。
このまま暖かくなり、春になるのかな…なってほしいな…
ではでは、今週は西海大崎漁協からです。

冬場のメインはアワビだけではありません!

西海大崎漁協のおさかなの旬といえば、3月後半〜5月20日、8月21日〜10月末に出回る崎戸イセエビ。4月〜10月末ごろのマアジ、夏場のイサキがあります。
一本釣りや、刺し網漁(魚の通り道に網を仕掛ける漁)など、季節ごとに様々な漁法で多種多様な水産物が水揚げされています。

そして冬場の旬は、アワビとワカメ!
アワビはこちらの記事でもご紹介しておりますが、2月中旬までが旬で、この時期のアワビは大きくて、身がぎっしりと詰まっています。

そして意外と知られていないのが、西海大崎漁協で養殖しているワカメ。こちらも旬を迎えているんです!
ということで、今回は養殖ワカメについてご紹介します。

ワカメの養殖について

西海大崎漁協エリアは、潮の流れがダイナミックな五島灘に面する好漁場です。養殖業も盛んで、ブリやマダイ、シマアジをはじめ、ワカメ養殖も営まれています。

ワカメの養殖は、ブイとアンカーを使ったはえ縄方式で行われています。ワカメの芽がついた種糸を巻きつけたロープが沖合に沈められます。

9月頃から収穫の旬になる冬場の1月頃まで、水深50メートル前後の位置に保ちながら、ゆっくりゆっくりと海の中で育っていきます。長さ2mほど成長するそうです。

管理は比較的簡単で、ワカメの成長に合わせて浮玉を増やすことと、時化の前に波浪から守ることだそうです。

養殖ワカメの天敵がいる!

五島灘の豊かな海で成長したワカメは、それはそれは美味しくなります!
その美味しさを知っているのは、人間だけではありません。

その美味しさを一番知っている海の生き物たち。ワカメが養殖してあるとは分からずに食べに来ちゃうんです…あの子達が…

養殖中のワカメのロープに群がる魚たち…

上の写真をご覧ください。ロープに群がる魚たち…
これは、ある魚がワカメの種が付いている養殖用のロープを突いて食べている様子なんです!

その魚とは、草食魚の代表でもある「アイゴ」
西海市の皆さんは「アイゴ」?っと思われる方でも、「バリ」と言えば馴染みのある魚ですよね。(*以下、バリと呼びます)

沿岸の浅い岩礁地帯に生息するバリは、7月から8月に産卵し、稚魚、幼魚期に藻類を食べて、成長すると海藻を種とした草食魚になります。そして、西海大崎漁協の養殖ワカメがとっても美味しいことを知っているため、食べに来ちゃうのです。

サザエやアワビのエサとなるカジメ(海藻)やヒジキなど海藻類を食べてしまうので、磯焼け(海藻が著しく減少・消失し、海藻が繁茂しなくなる現象)という問題にもなっているとか。


バリには、背びれや尻びれに毒のある鋭いトゲがあり、そのトゲが手などに刺さるとそれはそれは、非常に痛いそうです。また、処理が遅くなると臭みが出てしまうので、商品価値はなく市場でも敬遠されています。

定置網によくかかり、鋭い毒針で網に引っかかるので漁師さんたちからも厄介者とも言われ「駆除対象」の魚となっています。

こんなに厄介者扱いされて、なんだか可哀想な気もしますが。。。

手塩にかけて育てた養殖ワカメがダメになるのも悲しい。。。

西海大崎漁協スタッフの中澤さんによると、昨年は海水の温度が通常よりも低かったことから、バリの数が減少し、養殖ワカメの被害は例年よりも少なかったため、今シーズンはとてもいい出来になったそうです!

旬ワカメのオススメの食べ方!

生ワカメのイメージ写真

食物繊維にミネラル、そして胎児や乳児の成長に必要な栄養素の1つである、ヨウ素が多く含まれているワカメ。調理法でまず思い浮かぶのは味噌汁ですよね。
乾燥ものや塩付けされたワカメは年中食べられますが、旬のワカメのオススメの食べ方は、なんといっても生!
今しか味わえない採れたて、生のワカメを是非食べてみてください!

食べ方はいたって簡単!
生ワカメをしっかり水で洗い、サッとお湯に通してください。
そうすると茶色っぽいワカメが一瞬で鮮やかな緑色に変わります。
はい、これで出来上がりです!
あとは食べやすい大きさにカットして
お好みで、醤油やポン酢、ごまドレッシングなどにかけて食べてみてください。
旬のワカメは磯の香りがして、歯ごたえ抜群でとても美味しいですよ!

湯通ししたワカメ


今週は厄介者のバリと養殖ワカメについてご紹介しました。
魚釣りに行くと、バリは普通に釣れるそうです!
毒のあるトゲが刺さるとホント、痛くて腫れ上がるので十分にお気をつけください。。。


そして今が旬のワカメ。やっぱり旬の食べ物はシンプルにいただくのが一番!
直売所などのお魚コーナーで見かけた際には、ぜひお試しくださいね!

今週もありがとうございました。