知っておきたい、密漁のこと。

こんにちは、西彼町漁協です。

みなさん「密漁」と聞くと、組織的な犯罪というイメージがあるかと思います。ところがそれ以外でも、例えば個人的なレジャーで海藻類や貝類を捕ることも「密漁」になるんです!

知らずに捕っても「密漁」になる!?

日本国内のほとんどの沿岸部には「漁業権」が設定されているため、たとえ磯遊びの延長であっても、一般の人が漁業権の対象になっている魚介類(主な例として、アサリ、マダコ、サザエ、ハマグリ、ワカメ、ウニ、コンブ、イセエビなど)を捕ることはできません。
(*各都道府県で詳細が異なるのでご確認ください)

勝手に捕ってしまうと「密漁」になり、100万円以下の罰金が科されるので、みなさん気をつけましょうね!

(*ちなみに、テレビのサバイバル番組では、特別な許可を得て撮影されています)

漁業権の対象になっている魚介類の主な例
(政府広報オンラインより)

特に深刻なのは、単価が高い高級食材のアワビ、ナマコ、シラスウナギを狙った組織的な密漁(反社会的勢力の資金源にもなっているほど)や、自分で食べるだけならという個人の密漁も増えているということ。

(政府広報オンラインより)

そこで平成30年に漁業法が改正され、アワビ、ナマコ、シラスウナギについては、漁業権や許可なしに「捕ること自体が禁止」とされ、罰則が強化されています。(参照:政府広報オンライン

西彼町漁協では、ナマコの栽培漁業に取り組んでおり、稚ナマコを放流してから2年後、ようやくナマコ漁が解禁になります。
(過去記事はこちら:大村湾に稚ナマコを放流。

放流して守り育てたナマコを、勝手に連れ去られてはたまったものではありません。「密漁」はぜったいにやめてほしいです。

密漁品を流通させない法律がスタート!

そこで、水産資源の保護と適正な漁業者の経営維持のため、密漁品を流通させないようにしましょう!という「水産流通適正化法」が国会で成立。
令和4年12月から届出制度がスタートします。

簡単にいうと、漁師さんや漁協が行政庁に登録をして、届出番号をゲット。

漁獲したアワビ、ナマコ、シラスウナギを漁協や魚市場、販売店、飲食店等へ持ち込む時に、届出番号を相手先に伝達し、取引の記録を保存します。

届出番号があることで、密漁品ではない証明になるのです。

今は、そういう番号がなくても買い取ってくれるので、密漁品なのかそうでないのかの区別がつきませんが、12月以降は届出番号がなければ買い取ってくれないので、密漁品が簡単には流通しなくなるのです。

西彼町のナマコ・アワビを守るため

西彼町漁協職員の馬場さんは、新しい法律のスタートに伴い
西彼町漁協組合員151名分の届け出作業を進めています。

「捕ったらだめな人が捕るのが密漁。捕れる人(漁師さん)がちゃんと捕れるように新しい法律がうまくいけばいいと思います。特に、ここはナマコの漁獲が多いから密漁がなくなって欲しいですね」と馬場さん。

大切な水産資源と漁業者の経営を守るため、西彼町漁協は今日もがんばります!