大村湾に稚ナマコを放流。
こんにちは、西彼町漁協です!
暦では立秋を過ぎ、お盆の時期を迎えますね。
みなさんいかがお過ごしですか?
前回の「西彼町漁協です!」ブログ記事でお伝えしたように
夏場はお魚が獲れない西彼町漁協ですが、
11月ごろから始まる大村湾ナマコの漁に向けての準備を、7月中旬に行いました。
ナマコって、放流してるんですよ。
「え?ナマコって放流してるの?」
そう驚かれる方も多いと思います。そうなんです、じつは稚ナマコ(ナマコの赤ちゃん)を海へ放流し、大きく成長したものを収獲しています。
では、7月16日と17日の2日間、西彼町漁協で行われたナマコの放流に関する学習会と、大村湾の近隣地区へ稚ナマコの放流についてご紹介します。
資源管理と栽培漁業の取り組み
7月16日の学習会には、西彼町漁協の2階会議室に西彼町漁協の理事長、副理事長をはじめ、漁師さんたち17名が参加しました。職員による説明と質疑応答、放流場所の確認という順で内容が進められました。
水産資源の維持と回復を図るため、国および県の指針や栽培漁業に関する基本方針に基づいて、自主的な資源管理、栽培漁業に取り組んでいます。
資源管理の措置には、休漁設定、体重制限、種苗放流などがあります。
栽培漁業とは、卵から稚魚になるまでの期間を、人の手によって守り育て、外敵から身を守ることができるようになったら、その魚介類が成長するのに適した海に放流し、自然の海で成長したものを漁獲することです。(参照:農林水産相HPより)
この稚ナマコの放流は、まさに栽培漁業です。
稚ナマコを放流した場所では2年間漁ができない!
はい、そうなんです。人の手を借りて自然の海へ放流された稚ナマコたちが安心して成長できるように、放流した場所はなんと!2年間禁漁区域になっちゃいます。
なので、普段から漁をする場所には稚ナマコを放流できないし、もし放流してしまうと、そこでは2年間漁ができなくなるので、場所を決めるのはとても大事。
ちなみに、2020年7月に放流した場所は、2022年7月に漁が解禁されるということです。
さらに言うと、今年の7月に漁が解禁される場所は、2018年に放流した場所になるということですね。(クドくてすみません)
漁師さんたちの真剣な話し合い。
漁師さんたちは稚ナマコの放流場所をどこにするか、西彼町漁協の管轄エリア3地区に分かれて、しばし話し合い。
一昨年、去年と同じ場所にするか、違う場所にすれば禁漁区域が増えてしまうし。海は広しといえども、場所を決めるのは難しいですよね。
ですが、そこはさすがのプロ集団。放流場所が決まり、学習会が無事に終了しました!
いざ、稚ナマコ放流へ!
翌7月17日、稚ナマコの放流を行いました。
稚ナマコをお迎えに。
まずは、稚ナマコたちを2トントラックでお迎えに。早朝から佐世保市の栽培漁業センターへ行きました。
ナマコの赤ちゃんは小さいものだと5ミリ、大きいと3~4センチ、小指の太さぐらいのものもあります。これをなんと6万匹!
無事に西彼町漁協へ連れて帰り、放流する3つの地区に分け、地区ごとの漁師さんの元へ運び込みました。
みんな、大きく育っておくれ!
運び込まれた稚ナマコたちは、カキ殼が入ったカゴに投入され、そのまま大村湾に沈められます。
海水と一緒にビニール袋に詰め込まれた稚ナマコが、このようにバシャーっと丸カゴのカキ殼にぶっかけられます。
そして、話し合いで決められた場所(割と浅い砂地のところ)に、丸カゴがドボンドボンと投げ入れられました。
はい、放流作業はこれで終了です!意外とシンプルです。
稚ナマコたちは、この美しい空と緑の島々に囲まれた大村湾で成長していきます。2年後、立派に育った君たちに会いに行くからね!