初公開!瀬川漁協の地曳網漁

みなさん、こんにちは。

突然ですが問題です。
「瀬川漁協でメインとなっている漁法といえば?」

ああ、たくさんの人が「はいっ!はいっ!」手を上げてる光景が目に浮かびます。
西海おさかなブログのファンのみなさん、ありがとうございます!

答えはそう、地曳網漁です!

以前このブログで、地曳網漁にまつわるお話をいくつかご紹介しましたが、実際に現場の様子をお伝えしたことはありませんでした。

何度も漁の様子を見ようと海に出ましたが…
満月の夜で漁をしていない時期だったり、魚が集まらなかったので網をひかないと判断した日だったりと、なかなかタイミングが合わなかったんです。

そして今回、ようやく地曳網漁を実際に見に行くことができました!

地曳網漁のおさらい

地曳網漁とは、陸上を拠点として、沿岸近くにいる魚を沖合から網で囲んで陸の方へ引き寄せ、水揚げする漁のこと。なんと、100年以上前から受け継がれている伝統的な漁法なのです。

現役で地曳網漁を行なっている網主は4箇所あり、交代で網を引いています。(網を引く順番を決める伝統行事もあるhttp://saikai-osakana.net/?p=844)なので、4日に一度、順番が回ってくることになります。

この日は、網元「伊東網(元田川網)」を見学させていただきました。

暗いうちから始まる地曳網漁

午前2時ごろから地曳網漁が始まります。まだ、みなさんは夢の中ですね。

網の両端についた、引き綱の一方は陸側に固定されます。そして、船にもう一方の引き綱と、20メートル× 200メートルの大きな網を積んで灯りの周りを走りながら網を入れていきます。

この時に灯りの中に魚が集まっていれば、網を引くことを決めます。

この日は、なんとか網に「カタクチイワシ」が集まっていたので、網を引くことが決まりました。

魚が灯りに集まる習性を生かしながら、漁をしていきます。
そのため、海側にいる船の一艘だけが灯りに照らされています。
手前の陸側には、網を引く「網子」と呼ばれる方々が15名ほどいました。

写真の右側に写っている丸い車輪のようなものは、電動で網を巻き上げる機械です。網を引く際に、途中までこの機械を使用します。

ですが、ほとんどが人の力!
15名の網子が声をかけながら、網を引いていきます。
「右側が早いよ!左側はもう少しゆっくり!」など、網主や船に乗っている人が指示を出していました。
なんとこの15名の中に、女性も一人いらっしゃいました。60代だと聞いてびっくり!

昔ながらの伝統的な地曳網漁。網子が力強く一斉に網を引く姿はとても凛々しく、カッコよくて感動しました。

今年のとれ具合はどんな感じ?

網主の伊東さんに、少しお話を伺いました。

今年の漁獲量はどんな感じですか?と質問したところ、残念ながら昨年の半分程度だそう。

「はっきりした原因は分からないけど、海の中や海水温などの変化が原因かもしれない」とのことでした。

昔と比べると漁獲量が減少する傾向にありますが、100年以上も続いているこの「地曳網漁」が、これからも続いていくことを願います。

おまけ

漁が終わると、うっすら空が明るくなってきました。

網子のみなさんに見学させてもらったお礼をして帰ろうとしていると

「ほら、朝早くから来たけん持って帰らんば!」と、とれたてのカタクチイワシをたくさんいただきました。

「今度は一緒にカッパ着て、網子として待っているよ!」とお誘いも。

みなさん、今日も一日お疲れ様でした!