漁師さんが使う道具と漁法あれこれ
こんにちは!西海大崎漁協です。いつも食卓に並んでいる魚たちが、実際にどうやって獲られてるんだろう。と、思ったことはありませんか?
西海市では今現在も、昔から親しまれている道具と漁法で漁獲しています。
今回は(あまり知られていないと思われる)、漁師さんが漁に出て使う道具や漁法をご紹介します。実際に漁をしてる姿も公開します!
まず最初に、道具のご紹介です!
道具あれこれ
漁で使用する道具は、糸、網、竿からハリスや擬似餌まで、さまざまな種類があります。漁師さんは、釣りたい魚の魚種によってそれらを使い分けています。
これから釣りを初めてみたい方や、釣り好きの方もどうぞご参考に。
【のませ】
生魚を餌にして、青物を釣る時に使う仕掛けです。大物のブリやヒラスを釣る時には、サンマを餌にすることもあるんですよ!
魚にのませを通して仕掛けて、小魚がスイスイ泳いでいるようにみせる「泳がせ釣り」に使用します。
【弓角(ゆみづの)】
弓角は、昔、動物の角や骨を使って作られていた日本古来のルアー(餌に見立てた道具のこと)です。緩やかなカーブがポイント。
水の抵抗を受けてクルクルと回転することにより、小魚が泳いでいるかのように見せることで、魚にアピールします。
【タコの形をした擬似餌(ぎじえ)】
タコの形をした疑似餌です。
これは、船釣りで青物釣りの時に使用する道具です。船から擬似餌を放つとチャプチャプと水面に小さなイカが浮いているように見え、そこに魚が食いついてくれます。
【餌木(えぎ)】
餌木は、イカを釣るためのルアーです。木片でエビや小魚の形を作り、さまざまな生地を巻いて作りますが、最近はプラスチック製も出回っています。比較的カラフルなデザインが多いのが特徴。
ちなみに、餌木を用いてイカを釣ることをエギング(エギ+ing)と言います。
漁法あれこれ
西海市でおこなっている漁法はなんと7〜8種類もあり、季節や魚種により使い分けています。今回は、冬シーズンに青魚を獲るための漁法を紹介します。
【てんてん曳き】
ヒラスやブリ、サワラを獲るために9月からゴールデンウィークまでの時期に行う漁法です。
トローリングとも呼ばれ、船から海へ浮きを入れ、擬似餌のついた釣糸を流して、船をゆっくりと走らせながら魚を獲ります。
【げた曳き】
ヒラスやブリを釣るために2月〜3月まで行う漁法です。
船と擬似餌の間に、木で作られた、げたのような道具をつなぐことから「げた曳き」と呼ばれています。深いところにいる魚にアプローチできるところが特徴です。
これが「てんてん曳き」だ!
実際にてんてん曳きを行なっている様子をご紹介します。
高い竿は、てんてん曳きをするための船という目印。
船に乗って釣りスポットへいざ出発!
透明の細い釣り糸に、青魚を釣るための擬似餌をつけた仕掛けです。その長さはなんと200メートル!そして擬似餌の数は18個。この仕掛けを作るのに3時間程かかりました。
どんどん海へと流し入れていきます。途中で絡まることもあり、思ったよりも難しいです。
擬似餌は浮きに沿って、海上にてんてんと浮かんで見えます。てんてんと浮かんで見えるから「てんてん曳き」と言うのです。
ところで、魚がいそうな場所を見つけるポイントを知っていますか?
それはズバリ「鳥」と「瀬」です。
鳥は、魚を食べるために水面近くを旋回するので。その付近を狙うと釣れます。
瀬とは、潮の流れが速い場所や、そこにある岩礁のこと。岩礁に魚が隠れていることが多いので、魚が擬似餌に気づいて食いつくことで釣れるんです。
てんてん曳きをする船は、ゆっくりと走りながら、擬似餌に魚が食いつくのを待ちます。
西海市では、こうやって昔ながらの道具と漁法で今でも魚を獲っています。道具の中には、時代の流れとともに市場から消えてしまったものもあり、特注しないと作れないものも。
こうやって、昔の漁師さんの知恵を借り、さまざまな道具や漁法を駆使して、今日もみなさんの食卓においしい魚が並ぶよう、日々のお仕事を頑張ってます!