旬のアワビ漁!漁獲と保護のおはなし

皆さん、明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたか?西海大崎漁協ではアワビ漁がまっ盛りです。

昨年12月21日から解禁したアワビ漁、初日の漁獲量は30kgほどでした。ですが、じつは年々その数は減っています。そこで今回は、アワビを守るための取り組みや、アワビの漁獲についてお伝えします。

獲れたてアワビの選別

10.5cmの定規でアワビの長さを測ります。

漁獲されたばかりのアワビは、まず最初に専用の定規を使って長さを測り、その大きさによって選別します。

次々と運ばれてくるアワビを1つ1つ測ります。

基準の長さよりも小さいアワビは海へ返すようになっていて、長崎県の基準は「10cm未満」。西海市でも、2年前まではその基準を採用していました。
しかし、「少ない資源を増やそう!」と西海市独自の基準を設け、昨年から「10.5cm未満」のアワビは海へ返すようにしたのです。

小さなアワビを海へ返して繁殖期を待ち、その数が増えて大きく成長してから漁獲するんです。

アワビは素潜りで漁獲するので、ある程度育っているものを選別しながら獲ることができます。1回の素潜り漁ではなんと4時間も!かなり体力が必要です。

おかえり、放流アワビ

獲れたアワビの上に数字カードが乗っているのは、なぜだか分かりますか?これは、アワビが獲れた場所を区別するための番号なんです。

西海大崎漁協には「黒潮会」という、アワビの資源管理をする会があり、藻場の育成、稚貝放流などを行なっています。

アワビの稚貝は海域で育ちにくいので、漁業公社で約3cmになるまで育てられた稚貝を、毎年3月に55,000匹ほど放流します。

放流の結果、どれぐらいアワビが育ち、戻ってくるのかを調査し、今後のアワビ育成の参考にするため記録を取ります。

その記録のため、まずは獲れたアワビが天然か放流かを見分けます。

見分け方はズバリ色!

写真右のように、削った殻がエメラルドグリーンだったら放流の証。

放流して4〜5年後に戻ってくるアワビは1割程度。成長したアワビが5,000匹ほど漁獲されるということです。

こうやって、獲れた場所を調べて特定できると、どこで放流したアワビがたくさん戻ってきているのかを知ることができます。

アワビの身体測定

次にアワビの身体測定です!

殻長(cm)・体重(g)・性別を1匹1匹記録していきます。

通常はアワビの体重は150g〜200gですが、西海大崎漁協のアワビの中には400g近い巨大なアワビも!作業中のスタッフからも「おぉ!!」と歓声が上がりました。

アワビの性別は身の下の殻の色により見分けます。

こちらがオス。

こちらがメス。

違いが分かりますか?そうです!メスは写真向かって右側が青みがかり、少しふくらんで見えますね。これはアワビの卵です。オスは身の下が白く平たんです。

アワビの身体測定をすることで、海中のエサの状況や、妊娠しているアワビの割合を調査でき、今年の獲れ高を予想することができます。

これからもアワビを食卓に届けるために

翌年以降のアワビを育てるために、「予想漁獲量の2分の1しか漁獲してはいけない」という規定があり、毎年の漁獲量が決まっています。

毎年、1月にアワビの学習会が開かれ、そこで今年の漁獲量が分かります。
稚魚放流、選別、身体測定や調査などなど、たくさんの人の知恵や努力によって、これからも、皆さんの食卓へおいしいアワビをお届けできるのです。

今年のアワビはここで買える!

アワビを食べたくなった皆さん!ご安心ください。
アワビは西海市内の直売所などで購入できますよ!

もちろん、ここ西海大崎漁協でも直接お買い求めいただけます!漁獲量が日によって異なるので、ご購入の際には、事前に電話でご確認ください!

【月曜日〜金曜日】
9時〜16時
【土日祝日】
7時30分〜8時30分
【担当】
中澤さん
【住所】
長崎県西海市大島町寺島1325-120
【お問い合わせ】
西海大崎漁業協同組合事務所
TEL:(0959)-34-2039

お魚ブログでは、今年も各漁協から旬な話題をお届けします!
2022年もどうぞよろしくお願いします。