漁業者の暮らしと存続への思いを聞いてみました

みなさん、こんにちは!
今回は、瀬川漁協の漁業にまつわる色々なこと、ちょっとだけ真面目な話をお届けします。

自然豊かな西海市では、季節ごとに種類豊富な魚介類が水揚げされます。漁に出てくださる漁師さんのおかげで、私たちはその新鮮な魚介類を食卓でおいしく食べることができます。

漁に出て魚介類を獲る漁師さんや、養殖などで漁業に携わり収入を得ている人のことを「漁業者」と言います。

瀬川漁協について


西海市西海町水浦郷にある瀬川漁協には、管轄内で組合員登録をしている漁業者が約160名(正組合員が約100名、準組合員が約60名)いて、漁獲、真珠の養殖業、水産加工業に従事しています。

夏の時期は「一本釣り」で、タイ、イサキ、アジ、「底引き網漁」でエビを獲っています。秋から春にかけて獲れるアラカブは、なんと一本釣りで獲っているんですよ!

冬の時期には、長年受け継がれている伝統的な漁法の「地曳網漁(じびきあみりょう)」が行われ、カタクチイワシが水揚げされ、季節と魚種に応じたいろいろな漁法で魚を獲っています。


瀬川漁協で水揚げされるお魚について 
こちらの記事で、獲れる魚と漁法を紹介しています。ご覧ください。

地曳網漁で使われる網の夏場の保管場所は、なんと!海の上なんです。


最近、朝晩すっかり冷えてきました。そろそろ冬がやってくる頃に地曳網漁が始まります。早朝4時頃、私たちがまだ寝ている時間に地曳網漁が行われていると聞き、漁業の大変さを感じました。

ちょっと気になる漁船の値段

さて。日頃、漁業者が乗っている漁船ですが、目的や用途によって、小型船、大型船などさまざまな大きさがあります。

そんな漁船の値段が気になったので、漁協担当者の船木さんと田川さんに、思い切って聞いてみました!


こちらの写真に映っている船(4トン)は、新船で購入すると約1600万円ほどになるそうです!

中古船だと、船の状態にもよりますが、その半分の値段になるので、最近は中古船で購入するほうが多いとか。中古船を購入するときのポイントは、船のエンジンの状態をよく見ることだと、教えてくれました。

新船はもちろん、中古船でも、とても高価な買い物ですが、漁に出て魚を獲り、生計を立てるためには、漁業者にとって必要な漁船。漁に出て魚を獲ることで、大きな価値を生み出すことにつながるのです。

瀬川漁協の日課

瀬川漁協の職員である船木さんと田川さんは、お二人で漁協の業務を行っています。午前中は、漁から戻ってきた組合員さんへの対応、午後からは漁協の事務所で経理や魚種、漁獲量のデータ入力をする事務作業、電話対応をしています。

冬から始まる地曳網漁の時期は、午前4時頃から漁が行われるので、午前中は、地曳網漁の仕事をこなし、午後は事務作業に取り組む日々を送るそうです。

漁協職員の船木さん(左)と、田川さん(右)


組合員さんの現状とこれから

瀬川漁協の組合員さんの多くは、漁業とは別に仕事を持っています。漁業だけで仕事ができればいいのですが、別の仕事と両立しないと現状が厳しいのです。

組合員数に関しては、今のところ減少はしていませんが、進む高齢化と後継者の不足で、漁業へ従事する人の確保が難しくなっています。

瀬川漁協の漁場は、魚を獲ることを許される海の範囲が複雑で、制限があり漁に支障が出ることも。そのため、組合員さんに負担がかからないよう、県から補償がなされ漁業を続けられているそうです。

こういった状況ではありますが、日々の業務に取り組みながら、これからの瀬川漁協を考える船木さんと田川さん。


「組合員に負担が少ない漁業の在り方を模索しながら、取り組みたいです。ここで獲れる魚、長年続く伝統的な漁法など、瀬川漁協ならではの良さを存続して、これからも運営していきたいです」と話してくれました。

さいごに

今回、船木さんと田川さんのお話から、漁業の複雑な制限や、自然を相手に生計を立てることの難しさ、瀬川漁協の現状とこれからを通じて、いろんなことを知ることができました。

そして、瀬川漁協がいつまでも存続できるように、漁業に対して前向きに考え、取り組むお二人の姿勢に頼もしさを感じました。

日頃、私たちが当たり前のように食卓でいただく魚。組合員さん達が漁に出てくれるからこそ、おいしい魚が食べられるということに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。