大村湾ナマコのこと
おはようございます!西彼町漁協です。
大村湾ナマコの旬は11月15日から2月15日まで。
え?期間が決まってるの?
そうなんです、資源保護のために漁自体の期間が決まっており、必然的に旬もこの時期になります。
以前、稚ナマコ放流の記事「大村湾に稚ナマコを放流。」でもご紹介しましたが、今シーズンの大村湾ナマコは、2年前に放流された稚ナマコが成長したもの。ちなみに、西彼町漁協の馬場さんによると、今期の漁獲量は少ないそうです。
ということで、今回はナマコにフォーカスした内容をお届けします!
ナマコには色によって3タイプがある
ナマコは約1,500種いるといわれ、日本ではマナマコという種類だけが食用とされています。
ナマコは漢字で書くと「海の鼠(ねずみ)」。
夜になると、海底をねずみのように這い回るからとか、見た目がねずみのうしろ姿に似ているから、などと言われています。
ちなみに、英語名は「sea cucumber」(海のきゅうり)。
ナマコは色によって「赤、青、黒」の3タイプがあり、食用として出回っているのは赤ナマコと青ナマコ。黒ナマコは硬いので、日本ではあまり食用に使われませんが、中国では茹でて干した黒ナマコが高級食材として人気だとか。
色の違いは生息地域の違いで、赤ナマコは岩かげなどに住み、青ナマコは海底の砂地、黒ナマコも砂泥池に生息しています。
平成16年から平成25年ごろまで、西彼町漁協の亀浦エリアでは1シーズンに3〜5トンの黒ナマコが獲れていて、増えすぎると赤ナマコや青ナマコの生息に影響を及ぼすということで、駆除していたそうですよ。
どうやってナマコを獲るの?
大村湾ナマコ漁には、2種類の方法があります。
竿どり(ほこ突き)
船の上から箱メガネを使って海底のナマコを探し、鉤の付いた竹ざおでなまこを引っかけて漁獲する方法。箱メガネで水深4~5mの海底が見えるそうですよ!
岩場に生息する赤ナマコは、この竿どりでていねいに一匹ずつ獲るので、ナマコも傷つくことがなくきれいな状態です。
桁曳き漁(けたびき)
図のように、漁船から桁(けた)と呼ばれる網を海に沈めて、海底面を曳網しながらナマコを漁獲する方法です。海底の砂地に生息する青ナマコ、黒ナマコをこの漁法で獲ります。
昔、ナマコの数が多かった時代は、この桁曳き漁がよく行われていて80統(とう)あった船は、ナマコの数が減り、この10年で漁師さんも減少して今では40統に。稼働している船は10統ぐらいになり、ほとんどが竿どりだそうです。
大村湾ナマコを食べる
美味しい食べ方
大村湾ナマコの美味しい食べ方は、スライスしてポン酢かけが一番!
穏やかな大村湾で育ったナマコは、柔らかくなめらかな身が特徴で、噛めば噛むほど口の中に深い旨味と甘みが広がります。磯の香りも楽しめる、コリコリとした特有の歯ごたえと舌触りは、食べた人にしかわからない美味しさです!
ナマコの栄養って?
食品成分データベース(文部科学省)よると、ナマコは、92%が水分、4.6%がタンパク質、3.5%がアミノ酸。
ナマコの表面ってブヨブヨしていますよね?あれってコラーゲンと多糖類で覆われているからなんです。コラーゲンといえば、美肌効果があり女性に嬉しい美容成分として知られています。また、造血作用や、骨の強化、血管をしなやかにするなどの健康効果もあります。
他に、アミノ酸、カルシウム、ビタミンB群、マグネシウム、コンドロイチン、サポニン、ヨウ素などいろいろな栄養素が含まれています!驚きですよね。
馬場さんに聞きました!
馬場さん、毎年ナマコは減っているんですね。
「ナマコの量も、漁師さんも、ナマコを食べる人も減っていますね。今年は大村湾ナマコが少なかったけど、マダコがたくさん獲れているんです。減っているものがあれば増えているものもある。多い、少ないって、人間が勝手にそうやって見ているだけで、自然界ではバランスを取っているのかもしれませんね」
大村湾ナマコ。受け継がれる伝統的な食材として未来の子どもたちにも残したいですね!