月と漁と日々のおはなし
みなさん、こんにちは。
今週は、瀬川漁協からです。
地曳網漁の繁忙期になりました
12月末から地曳網漁が始まっています。
以前ご案内した、そう「カタクチイワシ」が獲れる時期になりました。
では実際に見に行ってみましょう!
ということで、朝4時に現場へ行ってみましたが…
誰も居ませんでした…
ほぼ毎日のように、漁を行なっていると聞いていたのですが…
何があったのでしょうか…
満月と漁の関係
漁が行われていなかったことを、瀬川漁協の田川さんと船木さんにお伝えしたところ、「満月だから、漁はしていないよ」と。
満月?満月だと何かあるのでしょうか?
今年最初の満月は1月29日でしたね。
満月といえば、月の満ち引きで出産が多いとか
レシートなどを出して綺麗に整理したお財布に、月光を浴びせると金運が上がる!など、色々とありますが…
満月の時に漁が出来ないのはどうしてでしょうか?
「地曳網漁の他にも、巻網漁なども満月の日の前後2〜3日は漁には出ないよ。
理由は簡単!光だよ!
地曳網漁も巻網漁も集魚灯を使うでしょ?
灯りに魚が集まるのを利用した漁法なんだけど
満月の光で集魚灯の効果が薄れてしまって漁獲量が少なくなるからだよ」
(*集魚灯とは、強い光を放つことで、水中の魚を集める照明器具のこと。集魚灯を使用するとプランクトンや小魚が集まり、それを狙う魚が集まったり、光に好反応を示す魚が集まったりします。)
先日の満月では、美しい月明かりが海を照らしていて
「わー綺麗だな〜」と見惚れてました…
たしかに、真っ暗な海に光輝く月明かりは、本当に綺麗で思った以上に明るかったです。この明るさだと、確かに集魚灯にはお魚さんたちの集まりは悪そうですね。。。
月の満ち欠けと漁の関係
満月の日には漁に出ないことがわかりましたが、他のときはどうなんでしょう。
魚釣りをする人たちは、よく潮見表といって潮の満干をチェックされますよね。
潮汐のリズムは月の満ち欠けに左右されます。今の時代は、魚群探知機などハイテク化が進んで、そういったことをあまり気にせず漁に出ることも多いそうですが、ベテランの漁師さんには昔の人の言い伝えなどを大切に、活かしている人もいます。
一般的には、大潮やその後の中潮の日が、よく釣れる日取りと言われています。潮見表(潮汐表)は、各地で異なるので、興味がある方はこちらでチェック!
漁をしていない時は何してる?
寒さが続く日ばかりでしたが、満月の前後の日中はポカポカ陽気の日でした。
午前中に瀬川漁協へ向かっていると
何か作業をしているお父さんを発見しました!
地曳網漁で使用する網を修理しているとのこと。
穴が空いているところを、手縫いで修理されていました。
針仕事が苦手な私には、気が遠くなる作業だ…なんて思ってしまいました。
かぶっているニット帽子の後ろのところに、さりげなく道具が挟んであるところがなんだか素敵です。
若い漁師さんは、漁だけでなく兼業で普通に他のお仕事をされている方が今は多いそうです。
網を修理していたこちらの方は、以前は現役で漁師をされていましたが、今は陸上でのこういった修理などを手伝い、漁師さんのサポートをされているそうです。
受け継がれている漁法を、地域の皆さんで守っていらっしゃるんですね!
おまけ!
そしてこの日はちょうど「運搬船」が停泊していました。
生きたまま、お魚を運ぶ為の船です。
それはそれは大きくて、迫力がある船でした。
日本中を回っていて、次は鹿児島へ行く予定だそうです。
今回は、月と漁のこと、日々のちょっとしたお話をお伝えしました。
ありがとうございました!