今が旬!大村湾ナマコのおはなし

こんにちは!西彼町漁協です。

さて、みなさんに質問です。最近、大村湾ナマコを食べましたか?

大村湾ナマコの旬は11月15日から2月15日まで。
資源保護のために漁ができる期間が決まっているので、食べるならまさに「今!」

今シーズンの大村湾ナマコは、2年前に放流された稚ナマコが成長したもの。西彼町漁協職員の馬場さんによると「今期の漁獲量は昨年と比べて、思っていたよりも獲れている」ということでした。

栽培漁業で育てています

栽培漁業センター

西彼町漁協で漁獲されている大村湾ナマコは、7月中旬に佐世保市にある栽培漁業センターから運び込まれた稚ナマコ(ナマコの赤ちゃん)を漁師さんたちがカキ殼の入ったカゴに入れて海に放流し、2年の歳月をかけて育ったものです。

ちなみに、放流した場所は稚ナマコが安心して成長できるように2年間禁漁区域になります。

稚ナマコの放流

このように、卵から稚魚になるまでの期間を、人の手によって守り育て、外敵から身を守ることができるようになったら、その魚介類が成長するのに適した海に放流し、自然の海で成長したものを漁獲することを「栽培漁業」といいます。
(参照:農林水産相HPより)

どうやってナマコを獲るの?

大村湾ナマコ漁には「竿どり」と「桁曳き漁」の2種類の方法があります。

竿どり(ほこ突き)

船の上から箱メガネを使って海底のナマコを探し、鉤の付いた竹ざおでなまこを引っかけて漁獲する方法です。箱メガネで水深4〜5mの海底が見えます。

岩場に生息する赤ナマコは、この竿どりでていねいに一匹ずつ獲るので、ナマコも傷つくことがなくきれいな状態です。

桁曳き漁(けたびき)

馬場さんによる図解

図のように、漁船から桁(けた)と呼ばれる網を海に沈めて、海底面を曳網しながらナマコを漁獲する方法です。海底の砂地に生息する青ナマコ、黒ナマコをこの漁法で獲ります。
(*この漁をするための免許があり、県知事からの許可が必要)

昔、ナマコの数が多く、この桁曳き漁がよく行われていた時には船が80統(とう)ありましたが、この20年でナマコの数が減り、漁師さんも減少して今では25統に。その中でも稼働している船は10統ほどです。

ナマコは色によって3タイプある

イメージ

日本で食用とされているのはマナマコという種類で、「赤、青、黒」と3タイプの色があり、赤ナマコと青ナマコが食用として出回っています。色の違いは生息地域の違いで、赤ナマコは岩かげなどに住み、青ナマコは海底の砂地、黒ナマコも砂泥地に生息しています。

大村湾ナマコを食べる

イメージ

大村湾ナマコの美味しい食べ方は、スライスしてポン酢かけが一番!

穏やかな大村湾で育ったナマコは、柔らかくなめらかな身が特徴で、噛めば噛むほど口の中に深い旨味と甘みが広がります。磯の香りも楽しめる、コリコリとした特有の歯ごたえと食感は、クセになります!

ナマコには栄養があるのか!?

食品成分データベース(文部科学省)によると、ナマコは92%が水分、4.6%がタンパク質、3.5%がアミノ酸とあります。

ナマコの表面ってブヨブヨしていますよね?あれはコラーゲンと多糖類で覆われているからなんです。コラーゲンといえば、美肌効果があり女性に嬉しい美容成分として知られています。また、造血作用や、骨の強化、血管をしなやかにするなどの健康効果もあります。

他に、アミノ酸、カルシウム、ビタミンB群、マグネシウム、コンドロイチン、サポニン、ヨウ素などいろいろな栄養素が含まれています!驚きですよね。

食べること=文化の継承

2年間の歳月をかけて大切に育てられた大村湾ナマコ。
「これからも受け継がれる伝統的な食材としてもっとみなさんにも食べてもらいたいですね。食べる文化がなくなれば、獲る必要がなくなり、いずれ食文化がなくなってしまいますから」と馬場さん。

大村湾ナマコを未来の子どもたちにも残していけますように。