うず潮カキの現状
あけましておめでとうございます。
本年も西海おさかなブログをよろしくお願いいたします。
2024年最初のブログは、西彼町漁協からの発信です。
さて、西彼町漁協でこの時期に獲れる魚介類といえば、年末年始の食卓を彩るうず潮カキと大村湾ナマコ。資源保護に努めていますが、じつは年々漁獲量が減少していて厳しい状況にあります。
減少する漁獲量
西彼町漁協職員の馬場さんによると、「ここ2年不漁なんです。カキはあるけど開けてみると身が入っていないという状況が続いている。高齢化が進み、カキが獲れないなら漁をやめるという漁師さんもいます」とのこと。
大村湾カキは稚貝をホタテの貝殻につけて海に沈め、成長させてから収穫します。これまでは海水温が高くなり稚貝が死んでしまうことで漁獲量が減っていたのが、近年はチヌによる食害でせっかく海に沈めたカキの稚貝が減少している事態が起こっています。
チヌによる食害
海釣りをする人にとっては、誰もが一度は釣ってみたいと思うチヌ(黒鯛)。しかし、市場単価が安いことなどから、漁獲しても利益が出ない、出漁に燃料代がかさむなどから、漁をする漁師さんがおらず、大村湾でチヌが増えているそうです。
漁師さんたちも、「昔は滑車がないとカキを上げられなかったのに、今は手で上げられるほど軽くなった。若いときはずっしり重くて滑車を使わないと上げられなかったのに、高齢になった今では手で上げられるほど軽くなった」とのこと。
カキの収穫量が激減している様子がとても伝わります。
チヌによるうず潮カキ食害をどうしたら食い止められるか。この状況をとても心配している西彼町漁協の馬場さん。
「うず潮カキが特産なので、寒い中頑張っている現場の漁師さんや行政と協力しながらどうやって増産できるか、みなさんにおいしいうず潮カキをお届けできるよう努力します」とのことでした。
仕事始めは1月5日
さて、1月5日より仕事始めとなる西彼町漁協。うず潮カキの現状はなかなか厳しくもありますが、ありがたいことに1月から3月まで宮崎県西都市へのうず潮カキの出荷と、2月15日までの大村湾ナマコのお仕事があります。
いろいろな課題がありますが、みなさんの食卓に西海市のおいしい魚介類をお届けできるよう、本年もがんばりますので応援よろしくお願いいたします!