水産教室 in 大串小学校〜大村湾の海の生き物や環境を学ぶ!〜

こんにちは、西彼町漁協です。

10月27日(金)、西海市立大串小学校5年生のみなさんに水産教室を行いました!

今回は、大村湾の海の生き物や海の環境について知ってもらう内容で、プロのダイバーであり、なんと登録者数27.5万人のユーチューバーでもある中村拓朗さんに、大村湾の海の中のことをたくさんお話していただきました!

西彼町の海はスナメリの子育てスポット!

みなさん、スナメリって見たことありますか?
イルカの仲間で、背びれがないことが特徴なんです。大村湾には200頭前後のスナメリが住んでいると言われ、そのほとんどがこの西彼町に面しているエリアで見られるそうです。

5年生の中でスナメリを見たことがあると手を挙げたのは2名!ほとんどの子どもたちは見たことがなく、中村さんは「スナメリを見たことがないのはもったいない。みんなが住んでいるこの町の海が、スナメリたちの子育てポイントなんです!」と教えてくれました。

中村さんが撮影した写真に、生まれて一週間のスナメリの赤ちゃんが、お母さんにくっついておっぱいを飲んでいる様子がありました。

目の前にあるこの西彼町の海が、スナメリにとって大事な子育て場所であり、海が豊かでないと子育てができないこと、最近わかったことで必ず同じ親が同じ場所で子育てをしにやってくることなど、スナメリにとってふるさとの海であることを話してくれました。

大村湾の大事な特徴とは

海の色は?と聞かれ、「透明!青!」と答える子どもたち。
大村湾の海は、海の生き物たちのご飯であるプランクトンが豊富なため緑色になり、外洋で潮がよく通るところは、潮の流れでプランクトンが流れるため青くなるそうです!

もう1つ、大村湾の大事な特徴は、海の草がたくさん生えていること。わかめや昆布を「海藻」といいますが、ここに生えているのは植物で「海草」といい、潮の流れによって花粉が運ばれ、時期がくると水中に花が咲きます。 

海草であるアマモやウミヒルモなどが生えている場所には、いろんな生き物がいます。

大村湾の生き物たち

タツノオトシゴは、メスが卵を産んでオスが子育てをするってご存知ですか?
メスがオスのお腹の中に卵を入れると、オスのお腹の中から卵に栄養がいくようになっていて、1ヶ月ほどするとオスがお腹の中から出産します。

中村さんは、大村湾にいる生き物の中でタツノオトシゴが一番好きだそうで、大村湾の海に潜れば必ず2、3匹見かけるとのこと。運がいいと護岸沿いからでも見られるとか!

他にも、タコ(イイダコ、テナガダコ、マダコなど)、エイ、ヒカリウミウシ、ヒトデの形をしているウニの仲間のヨツアナスカシカシパン、ヒガンフグ、紋甲イカなど、たくさんの生き物のことを紹介してくれました。

知ってほしい大村湾の問題

大村湾はとても豊かな環境でたくさんの生き物が暮らす海ですが、夏から秋にかけて、水温が高い日が続くと海の中に溶け込んでいる酸素が少なくなる「貧酸素」が起こります。
海をきれいにしてくれるエビやカニ、そのまわりにいるもっと小さな生き物たちが死んでしまい、海の環境が悪くなる状態が続くと、大村湾の生き物も全体的に減ってしまうという問題が起こっています。

また、海から海草がなくなり砂漠化する「磯焼け」という問題があります。磯焼けした場所では、生き物がどんどん減ってしまうという問題があります。

こういった問題に対して、日本全体の漁業者さんたちや国が海をきれいに戻し、魚がたくさんとれる海を取り戻そうという活動をしています。

私たちにもできること

中村さんが海や海の生き物をこよなく愛し、実際に潜って見てこられたからこそ伝わってくる思い、そして5年生のみなさんが興味深く中村さんのお話を聞いている様子が、とても印象的でした。

今回の授業で、身近な海である大村湾はとても豊かな海で、いろんな生き物がそれぞれに役割を持って住んでいることを知った5年生たち。大村湾の現状を知ることから自分たちにできることを実践して、次の世代に豊かな海を引き継いでくれることを期待しています。

大串小学校5年生のみなさん、どうもありがとうございました!