”究極の血抜き”それは魚の生臭さを消す魔法

みなさん、こんにちは!早いもので今日から師走。脂がのって身が締まったおいしい魚を楽しめる季節になりました!

しかし世の中には「魚の生臭さがちょっと苦手」と感じて、おいしい魚を食べる機会を逃している方も。

そこで、朗報です。西海大崎漁協では、魚独特の生臭さとは無縁、しかも醤油いらずで美味しく食べられる”究極の血抜き”をした魚を皆様にお届けしたい!という思いで、現在商品開発に取り組んでいます。

“究極の血抜き”とは

西海大崎漁協が”究極の血抜き”をやってみようと思った発端は、YouTubeで話題となった「津本式 ”究極の血抜き”」。

宮崎県の水産関係者の方が「魚の臭みの原因は血液が腐ること。ならば、血を徹底的に抜いたら良い」と考え、試行錯誤のうえ実用化した手法です。

ホースから出る水で、魚の血管から血を押し出すという非常にシンプルな方法で水圧により、魚から血液を全て抜くことができます。

魚の胴体に包丁を入れ、血抜きをする従来の方法だとエラの部分や動脈の中に血が残り、時間が経つと生臭くなってしまいます。

“究極の血抜き”だと魚から完全に血を抜けるので、腐敗を防ぎ、長期間熟成させて魚の旨味を引き出すことができるのです。

まるで魔法がかかったかのように臭みがなく、熟成によりうまみが凝縮されます。

しかも、”究極の血抜き”をすると釣ったばかりの魚のようなコリコリっとした食感も楽しめるのです。

今回、お寿司屋さんとコラボして”究極の血抜き”をしたシマアジを熟成させ、バッテラと昆布締めにしたお寿司を作って試食しました。

食べるときに醤油はいりません。口に入れた瞬間、魚の甘みが口に広がり、思わず笑顔で「おいしい!」と言葉が出ちゃいました!

魚の生臭さがなく、後味もすっきり!何個でも食べたくなるお寿司でした。

大公開!これが”究極の血抜き”

今回捌くのは、大崎漁協スタッフの中澤さん本人が釣り上げた立派なサワラ!

釣り上げたあと、神経を抜いた状態です。

まずはうろこを取ります。

次に尻尾です。切り落とす手前、皮一枚残すところまで包丁を入れます。ご覧ください。腹側が動脈、頭側が神経です。

そして、エラの下の部分から水を流し、動脈から全ての血を出してから、内臓・心臓・エラを取り除きます。

血抜きをした魚のエラや腹はほんのりピンク色になります。

弱真空状態にしたサワラ。5日間熟成させます。

その後、30分間魚を立てた状態にして水分を抜き、紙に包み、弱真空状態で5日間熟成させます。

これが魚の本当のうまさ!

今はまだ商品開発の入り口の段階。いろいろな魚で”究極の血抜き”を実践し、熟成までの最適な日数や、どのような形で提供するのかなどを試行錯誤しています。

中澤さんは、「まずは”究極の血抜き”で熟成した魚をたくさんの人に食べてもらい、魚が苦手な人にも魚本来のおいしさを知って欲しい。西海大崎漁協といえば『イセエビ』と認識している人が多いが、昔からとてもおいしいアジが大量に釣れる。今後は”究極の血抜き”をしたアジをブランド化して、いつか西海大崎漁協といえばアジがうまいんだ!と全国に広げたい」と、今後の目標を語ってくれました。

漁師である父の背中を見て育った中澤さん。子どもの頃から「父が釣ってきたアジは日本一美味しい。自分もいつか漁師になり美味しい魚を釣ってたくさんの人に喜んでもらいたい」と、ふと嬉しそうに笑顔で語る姿がカッコ良かったです!

そんな中澤さんが取り組む商品開発、”アジのブランド化”に向けて、こちらのブログでも紹介していきますので、みなさんどうぞお楽しみに!