西彼町漁協のヒオウギ貝販売の取り組み

こんにちは、西彼町漁協です。

9月は中旬に台風が来たり、やっと少し涼しくなったと思ったのにまた暑さがぶり返したりと、なかなかスムーズに穏やかな秋へと移ってくれませんね。

さて今回は、これからの「西彼町漁協の取り組み」について少しお話させて下さい。

ヒオウギ貝の販売のこと

みなさん、ヒオウギ貝ってご存知ですか?

そもそも名前の由来は、昔宮中の女官たちが持っていた華やかな扇に似ていることから「檜扇(ヒオウギ)貝」と呼ばれている貝なんです。

店頭には、こんな感じで鮮やかな色とりどりのヒオウギ貝が並びます。

ヒオウギ貝は南日本にしか生息しない貝。食べると甘くて濃厚な味。

西彼町漁協では、このヒオウギ貝をお求めやすい値段で提供し、皆さんに食べてもらいたいと考えています。

以前、販売していたヒオウギ貝は、8〜10cm以上の大きいサイズのもので、1枚あたり150〜200円でした。そして今回、西彼町漁協が販売を考えているのは、あえて少し小さめのサイズ。

4月に稚貝を入荷してから3〜4ヶ月育て、8〜7cmに成長した小ぶりサイズのヒオウギ貝を、20枚入り1,000〜1,500円というセット売りにして、出荷を考えているんです。(なんと、1枚あたり50〜75円!)

ちなみに、波が静かで干満の差があまりない穏やかな大村湾は、ヒオウギ貝が育つには最適の環境。養殖するための手間はかかりますが、大村湾の豊かな海に含まれるプランクトンを餌にして、ヒオウギ貝はスクスクと育ちます。

これで大体直径7cmくらいです。

なぜ、小ぶりサイズなのか。

大きめのサイズだと単価が高くなるので、家族が多いご家庭ではなかなか手が出しにくいと思います。小ぶりサイズだと、5人家族にも人数分が行き渡りますよね。 

しかも、ヒオウギ貝の料理法はとても簡単で、レンジにかけてちょっとバターを入れたり、醤油をかけたりしただけで豪華な一品になります。一口サイズだと、お子さんでも食べやすいです!

ヒオウギ貝のレンジ蒸し(バター醤油かけ)

また、販売を考えているのは夏。夏といえば、バーベキュー!網にのせて焼いたり、パエリアなどの炊き込みご飯も、ヒオウギ貝を入れるだけで豪華に!

ヒオウギ貝を入れたら豪華にになるパエリア。実は材料費とても安価。

このように、もっと気軽に買える食材として普及して欲しい!実際食べてみて美味しいと知って欲しい!なので、まずは小さめのサイズ(=手に取りやすい価格で数多く)で、お試しいただきたい!ということなんです。

じつは、そこにはヒオウギ貝だけではなく、もっと魚介類を食べて欲しいという西彼町漁協の願いがありました。

子どもたちの記憶に残したい

人間の脳には、記憶を司る古い脳と呼ばれる部分(大脳辺縁系)があって、そこは記憶が刷りこまれ、食べ物や匂いなどの情報をインプットすると言われています。

私たちは小さい頃に食べたものを懐かしく思い、時に思い出して食べたくなります。つまり、この古い脳は7歳頃までに食習慣の基礎を作るのです。

忙しいお母さんたちは、テマヒマを考えると、夕飯の買い物で魚一匹丸ごとよりも、冷凍品や、加工が簡単な輸入魚を手に取ることが多くなりがち。豊かな大村湾が近くにあるのに、これってもったいない!

大村湾の豊かな海の恵みが身近にあるという、当たり前になっている豊かさに気づいて、その恩恵を子どもたちの記憶に残せたら。

生簀からあげたヒオウギ貝

そこで、小さめですが量が多くて安いヒオウギ貝を販売することで、お母さんたちがもっと気軽に買えて、地元で獲れた魚介類の味を、子どもたちが記憶に刻み込んでくれたらと思っています。

小さめだけど、量が多くて安いヒオウギ貝の販売を考えているのは、じつはこういった思惑があってのことなのです。

魚食文化をつなぐために

大村湾の豊かな海の恵を、大人になって懐かしく思い、記憶に残る魚や貝を食べたくなるように、今の子どもたちに大村湾の魚介類の美味しさ知って欲しい。

そのためには簡単に調理できる。手頃な値段で手に入る。そして美味しい。そんな魚介類が必要だと考え、西彼町漁協は、これからの取り組みとして、お買い求めやすい小さめサイズの「ヒオウギ貝」の販売を考えています。

2022年7月の販売に向けて準備しています!みなさん、どうぞお楽しみに!