漁船の経費を抑えるために
こんにちは、西彼町漁協です。
9月1日からまたガソリン代が上がりましたね。車の給油でガソリンを満タンにして代金を支払ったときのこと。「満タン1回が5,000円で足りないなんて……」と、思わず「はぁ〜」とため息が出ちゃいました。
ちなみに、漁船の主な燃料は「重油」ですが、こちらも同じくどんどん値上がりしていて、漁に出るための経費が大変なことになっています。
燃料消費を抑える3つのポイント
漁船にかかる経費を抑えるために、燃料の消費を減らすことは必須。そのためのポイントが3つあります。
1)エコ運航(速度を抑えめに航行する)
船の速度を下げて航行します。例えば、総トン数20GT未満の沿岸小型漁船の場合、速度を14.5ノットから13.5ノットに、1ノット下げた場合、1時間あたりの燃料消費量は約14%削減できます。ただ、速度を抑える分、航行する時間は長くなります。
2)船の軽量化
不要な積荷は降ろしてしまい、船をできるだけ軽い状態で運航することで、燃料の消費を抑えられます。
3)船底や舵、プロペラの清掃
船底・舵あるいはプロペラを清掃することで、同じ船速において清掃前に比べて 7%〜22%程度、場合によってはそれ以上の燃料消費量の削減が期待できます。
*参考資料
水産総合研究センター水産工学研究所の漁船漁業の省エネルギーに向けて
長崎県からの補助金
ここ数年、コロナ禍による魚の価格の低迷や、燃油価格の高騰で経費負担が増えるなど、とても厳しい経営状況にある漁業者さんたち。
特に、燃油の経費負担を減らすために行う「船底清掃」にかかる費用を支援する漁業協同組合に対して、長崎県が「出漁負担軽減対策事業費補助金」を交付することになりました。
西彼町漁協では、組合員さんには通常は年に1回の船底清掃を年に2回行なってもらい、漁船の燃費をよくして少しでも経費削減につながるようにサポートしています。
船底清掃ビフォー&アフター
ということで!先日、西彼町漁協組合員さんが所有する漁船の船底清掃が行われました。
舵の表面はざらざら、船底のペンキが剥がれているところも。
船底清掃のときは、船台を使って船を陸に揚げます。船底にこびりついているカキやフジツボなどを、スクレーパーを使って取り除いて、あとは高圧洗浄機できれいに仕上げます。最後に塗装をして完成!
ご覧ください!船底の汚れはきれいになり、塗装もバッチリ。
これで、以前よりも船がスムーズに航行できて燃料の消費が抑えられます。
さいごに
とても厳しい状況ではありますが、みなさんにおいしいお魚をお届けするために、組合員さんをはじめ漁協も日々がんばっています。
みなさんに西海市の新鮮でおいしいお魚をたくさん食べていただけることが、何よりも励みになるので、これからもどうぞ応援よろしくお願いします!